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歴史と物語

穏やかな瀬戸内海に面し、古くから海の要衝として、また金刀比羅宮(こんぴらさん)へと向かう参拝客や物資が行き交う街道の起点として栄華を極めた香川県丸亀市 。この歴史深き街の中心には、日本一の高さを誇る美しい高石垣と、江戸時代から現存する天守がそびえ、今もなお威風堂々とした誇りを伝えています 。

「丸亀城 延寿閣別館 Kazeno Heritage」は、この日本の宝とも言える名城の特別な敷地内に、ただ一棟だけ佇む完全貸切のヘリテージ・ヴィラです 。かつて賓客を迎える迎賓館の貴賓室として贅を尽くして建てられた登録有形文化財を、あなただけの別邸として占有する、他では得られない至高の満足感を提供します 。

大名家や子爵家が愛した美しい建築、そこから見渡す讃岐平野の圧倒的な眺望 。先人の卓越した美意識によってつくられてきた歴史や文化にただ身を浸す、それだけで不思議と心が満たされていく感覚。それは、静寂に守られた城内でしか味わうことのできない、極上のプライベート・ステイです。

天守と高石垣に守られた、
静謐な時を独占する

標高約66メートルの亀山に築かれた丸亀城 。「石の城」とも称され、扇の勾配と呼ばれる見事な曲線美を描く高石垣のすぐ上に、延寿閣別館は位置しています 。一般の観光客が立ち去った閉門後、宿泊者だけが足を踏み入れることを許される城内は、圧倒的な静寂に包まれます 。

夜空に幻想的に浮かび上がる天守を仰ぎ見ながら、かつて瀬戸内海からこの城下町を経て、金刀比羅宮へと祈りを捧げに向かった人々の往来の歴史に想いを馳せる 。朝霧に包まれる神秘的な城郭や、刻一刻と表情を変える瀬戸内の風を感じながら歩く時間は、旅の記憶に深い奥行きを与えてくれます 。

日常の喧騒から完全に切り離された城跡で、日本古来の美に囲まれて過ごす時間。五感をそっとひらき、ただそこに佇むだけで、かつての城主たちが眺めたであろう雄大な景色と歴史の重みが、あなたをそっと包み込んでくれます 。

昭和初期の時を刻む
文化財の建築美

滞在の舞台となるのは、昭和8年に建てられ、国の登録有形文化財に指定されている「延寿閣別館」です 。旧大名家住宅の格式を保った贅沢な空間には、長い年月を経て深い味わいを増した木々の温もりと、端正な書院造の意匠が宿っています 。

木造石場建てという伝統的な工法で建てられた館内には、屋久杉や欅、松といった厳選された銘木がふんだんに用いられています 。一棟貸切だからこそ、東西に二間続きで広がる風格ある座敷(西の間15帖・東の間10帖)の往時の建築美を、誰にも邪魔されることなく独占する贅沢な時間を提供します 。

桐などの植物を透かし彫りで表現した繊細な欄間や、実用性と美観を兼ね備えた釘隠しの装飾金具など、当時の粋を集めた伝統技法は、今もなお訪れる客人の感性を心地よく刺激します 。昭和から時を刻んできた意匠に身を委ね、歴史と対話する静寂のひとときをお過ごしいただけます 。

文化財の歴史的背景

「延寿閣別館」の核となるのは、丸亀藩主京極家の歴史とつながる深い背景です 。

登録有形文化財(建造物)
「延寿閣別館」

延寿閣別館は、昭和8年(1933)、丸亀城内三の丸に迎賓館「延寿閣」の貴賓室として建設されました 。その名称は、かつて丸亀藩6代藩主・京極高朗の隠居部屋の呼び名に由来しています 。整備にあたり、東京麻布にあった京極高修子爵の邸宅の一部を譲り受け、この地へと移築されました。

かつて迎賓用や市民の文化活動の場として愛された本館は昭和60年に解体されましたが、この別館は大切に保存され、令和6年(2024)から宿泊施設として新たに活用されています 。地方都市に整備された迎賓館の歴史的背景や、子爵家の華美にとらわれない洗練された生活様式を今に伝える、丸亀の誇りそのものです。

建物の随所に息づく、
名工たちの手仕事

「延寿閣別館」の空間を形作るのは、厳選された天然の素材と、当時の名工たちが遺した精緻な手仕事です 。華美な装飾を排し、素材そのものが持つ質感や景観との調和を大切にする日本の美意識が、建物の随所に息づいています 。

京極家の意匠、
透かし彫り欄間と光の陰翳

西の間と東の間を仕切る障子の上部や、書院の上部に設けられた欄間には、桐などの植物が美しい透かし彫りで表現されています 。また、二間続きの座敷の南側には、下部にガラスを入れた雪見障子が設けられており、障子を閉めても座ったまま外の風景を愉しめる貴賓室としての機能美を備えています 。室内に差し込む柔らかな光と、繊細な建具が織りなす美しい陰翳の中に身を置いて過ごす、文化財建築ならではの豊かなひとときをお愉しみください。

素材が奏でる質感、
屋久杉と欅の温もり

主天井は格式高い二重竿縁天井で構成され、天井板には大変貴重な屋久杉(西の間は5枚割、東の間は6枚割)が用いられています。また、西の間の床の間には欅の床柱と欅の床板が使われ、床脇の天井や東の間の天井には、木目の美しさを際立たせる松材の「浮造り仕上げ」が施されています。素足で触れる桜材の広縁の質感や、釘頭を隠すために随所に配された美しい釘隠しの意匠など、名工たちの細部へのこだわりを肌で感じられます。

自然を美しく切り取る、
広縁からの「眺望」

建物の南側にある、幅約1.08メートルの広縁もまた、この建築の大きな魅力です。改修でガラス戸へと変更された広縁からは、三の丸石垣の南辺という抜群の立地を活かし、丸亀平野の広大な景観を美しく切り取ります。讃岐富士(飯野山)をはじめ、綾歌三山、象頭山、大麻山など、讃岐を象徴する山々の稜線を特等席から一望。室内と外の自然が緩やかに繋がる日本の伝統的な設計により、座っているだけで移ろいゆく原風景を身近に感じることができます。

日常を脱ぎ、丸亀城の呼吸に
溶け込む体験。

文化財が刻む意匠に守られ、ただ静かに身を委ねる。それは、かつて高貴な人々が愛した風の音を聞き、目の前に広がる讃岐の絶景を慈しむ、豊かで混じりけのない時間のはじまりです。

日本一の高石垣が放つ圧倒的な存在感、現存天守が漂わせる歴史の静寂。そして、今もなお職人の手仕事が息づく延寿閣別館の端正な空間。この地に流れる誇り高きリズムは、あなたの呼吸を深く整え、日々のノイズを綺麗に消し去ってくれます。

単なる「観光」ではなく、日本の宝である城郭の記憶を辿り、先人の美意識にそっと包まれる旅。自由な素泊まりのスタイルだからこそ、丸亀の風に心を開き、ただここに存在するだけで心が満たされていく贅沢なひとときを、どうぞご堪能ください。 普段の旅では出逢えない、本当の自分を再発見する滞在へ。